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February 15, 2011

Ideology as Taro Okamoto

今までは伝統というものを、パティキュラーな狭いものと考えてました。京都の伝統、薩摩の伝統、少しひろがって日本の伝統、東洋の伝統、それに対立する西洋の伝統というふうに、人種とか国境、民族、そういう枠で過去を截断し、局限して捉えようとしたのです。
ひらかれた世界性に対して、閉された枠、制約。そういうものによって局限された世界、特殊性を受けついでゆくのが伝統であり、「現在」は、反対に無限にひらかれた世界の可能性にたたされている、というのが伝統とか現代文化に対する一般的な考え方でした。
だが、実はそうじゃない。私がいいたいのは逆だ。今日、過去の方は非常に広大に、全世界的に広がってきています。・・・・・・民族とか国境とかいう狭い枠をぬきにして、すべて現在的な感動、今日の血肉となっている過去、現在的な感動をもってわれわれが関心をもつすべては、われわれの受けた遺産です。そしてこの遺産は、その受けるものの分量において無限にうちひらかれているのです。

「岡本太郎という思想」赤坂憲雄著より・岡本太郎氏の文章


by izukuranaoto | 2011-02-15 20:21